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【Netflix感想】「暴君になる方法」独裁者たちのルールブック

あなたは独裁者になって権力を手に入れたいですか?

このドキュメンタリーを見れば、あなたも独裁者になれるかもしれません。ここで紹介されているルールを守ることができればですが・・・

今回紹介するドキュメンタリーは、ネットフリックスオリジナルシリーズの「暴君になる方法」です。

配信年2021年
エピソード数6エピソード
再生時間約30分
演出ピーター・ディンクレイジ

このドキュメンタリーは、20世紀に登場した独裁者が「どのように権力をつかみ、維持したか」について、その共通項をルール化し、皮肉いっぱいに紹介したものです。

このドキュメンタリーでは、6人の独裁者が紹介されています。

  1. アドルフ・ヒトラー(ドイツ)
  2. サダム・フセイン(イラク)
  3. イディ・アミン(ウガンダ)
  4. ヨシフ・スターリン(ソ連)
  5. ムアンマル・カッザーフィー(リビア)
  6. 金日成(北朝鮮)

こんな人におすすめ
  • 権力に興味のある人
  • 歴史に興味がある人

このドキュメンタリーで紹介されていた「暴君になるためのルール」の一部を紹介したいと思います。

支配力を確立する

どんな独裁者でも権力を握ったばかりの時は、その支配力が確立されておらず、いつ権力の座から引きずり降ろされるか分かりません。

まずは、自分の支配力を確立する必要があります。そのために、独裁者は何をするのでしょうか?

独裁者は、自分に反抗する可能性がある不満分子を徹底的に粛清します。たとえそれが元々仲間だった人だとしてもです・・・

例えば、サダム・フセインは、権力を狙う人間、狙いそうな人間を徹底的に虐殺しました。

フセインは、政権交代当初、国会で、「私の政権に異を唱えるものがこの場にいる」と言い、あらかじめ仕込んでおいた部下にでっちあげの裏切り者を発表させ、20人以上の人間を処刑しました。

そして、その処刑の様子を記録したビデオをイラク大使館など、様々なところに送り付け、自分に逆らうどうなるかということを知らしめ、恐怖心を植え付けたのです。

まずは、支配力を確立するために、力を見せつけるのです。

情報を操作する

恐怖心で人を操作しようとすると、必ず不都合が生じます。

自分の支配力を確立するために非人道的な行為を行なっていれば、国際社会からの批判は免れません。独裁者は、どのように国際社会の批判を免れるのでしょうか?

独裁者は、情報を操作することでこれに対処しようとします。

例えば、スターリンは、当時ソ連で発生していた大規模な飢餓を隠すために、ニューヨークタイムズ紙モスクワ支局長を懐柔して「飢餓のうわさは大げさ」という記事を書かせます。

彼のこの報道は、優れたジャーナリズムを表彰する賞であるピューリツァー賞を受賞し、スターリンは国際社会の批判をかわすことに成功します。

いかに情報を操作するかが、独裁者の腕の見せ所なのです。

自らを神格化する

独裁者は、選挙で選ばれるリーダーとは違い、統治の正当性を自ら証明する必要があります。

多くの独裁者は自らを神格化することで統治の正当性を証明しようとします。

例えば、北朝鮮の2代目の金正日は、カリスマ的リーダーであった父とは違い、目立たない裏方的な人間でした。

そこで、父からリーダーの座を世襲するにあたり、自らを神格化するために、様々な「物語」を作りました。

  • 生後3週間で歩くことができ、8週間で話し始めた
  • 1,500冊の本を執筆した
  • 初めてのゴルフで11回のホールインワンを達成した
  • 完璧な体の持ち主で排泄物は一切出さない

などなど、とても正気とは思えない 「物語」 を広め、自らを神格化しました。

おわりに

このドキュメンタリーで紹介された独裁者のうち、生涯権力を維持したのはスターリンと金日成だけです。

恐怖で人を支配しようとしても、いつかは反撃され権力の座から引きずり下ろされてしまうんですね。

このルールブックを守るのは、非常に難しいようです。