※2021年12月1日に公開した記事ですが、最新情報を追記して2022年1月19日に再度公開しました。
政府は2021年11月20日、コロナ禍の影響を受けた中小企業、中堅企業、小規模事業者、個人事業主に対し、新たに「事業復活支援金」を支給すると発表しました。
今年度実施された、一時支援金・月次支援金に続く、第三弾の給付金です。
事業復活支援金の申請は、2022年1月31日の週から開始となっています。
一時支援金・月次支援金は、実質的に緊急事態措置又はまん延防止等重点措置の影響を受けた地域、業種に限定されていたので、全国的に使える制度ではありませんでした。
しかし、今回の 「事業復活支援金」 は、 一時支援金・月次支援金と違い「緊急事態措置又はまん延防止等重点措置の影響を受けた地域や業種」といった要件が外され、昨年度に給付された持続化給付金に近い制度になっています。
そこで、今回は事業復活支援金と持続化給付金との違いや、制度の概要ををまとめてみました。
事業復活支援金と持続化給付金の違い一覧表
現在発表されている段階での事業復活支援金と持続化給付金の違いは、以下表のとおりとなります。
事業復活支援金 | 持続化給付金 | |
予算額 | 2.8兆円 | 5.5兆円 |
給付上限額 ( 法人 ) | 250万円 | 200万円 |
給付上限額 ( 個人 ) | 50万円※ | 100万円 |
対象者 | 中堅・中小企業、個人事業主 | 中堅・中小企業、個人事業主 |
売上減少要件(比較対象月) | 2021年11月~2022年3月 | 2020年のいずれかの月 |
売上減少要件(減少率) | 前年同月比▲50%以上または▲30%以上 | 前年同月比▲50%以上 |
給付額の算定法 | 固定費負担の支援として5ヶ月分の売上減少額を基準に算定 | 前年売上ー(前年同月比▲50%月の売上×12か月) |
事業復活支援金の対象者
事業復活支援金をもらうには、以下の2つの条件を満たす必要があります。
- 2021年11月~2022年3月のいずれかの月の売上高が、2018年11月~2021年3月までの間の任意の同じ月の売上高と比較して50%以上又は30%以上50%未満減少している
- 新型コロナウイルス感染症の影響により売上が減少している
事業復活支援金では、「新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者が対象となりうる」という点が強調されており、持続化給付金のように形式的に売上が下がっていれば対象というわけではなく、コロナの影響を受けた売上減少である必要があります。
事務局が、コロナ影響による売上減少か判断ができない場合、その裏付けとなる書類の追加提出を求める場合があるようです。
自治体等の要請文、他者がコロナ禍を理由として休業・時短営業等を行ったことが分かる公表文、自らの事業との関連性を示す書類(店舗写真等)
給付額の計算方法
給付額は以下の計算により算出されます。ただし、以下の表のとおり、年間売上による給付上限額が設定されています。
給付額=基準期間の売上高 ー 対象月の売上高×5
※対象月は、2021年11月~2022年3月のいずれかの月
※基準期間は、「2018年11月~2019年3月」、「2019年11月~2020年3月」、「2020年11月~2021年3月」のいずれかの期間
事業復活支援金に必要な書類
事業復活支援金に必要な書類は、以下のとおりです。
確定申告書類 | ・確定申告書別表一の控え ・法人事業概況説明書の控え |
対象とする月(対象月)の売上台帳等 | ・経理ソフト等から抽出したデータ、エクセルデータ、手書きの売上帳 |
通帳の写し | ・銀行名・支店番号・支店名・口座種別 ・口座番号・口座名義人が確認できるもの |
履歴事項全部証明書(法人) 本人確認書類(個人) | ・申請者の履歴事項全部証明書(法人) ・運転免許証等(個人) |
宣誓・同意書 | ・給付規程により様式が定められた宣誓・同意書 ※ 代表者本人が自署したものが必要 |
また、 一時支援金・月次支援金と同様に、給付の申請を行う前に、登録確認機関(商工会議所、商工会、税理士、中小企業診断士など)から、「事業を実施していること」などについて事前に確認を受ける必要があります。
この点は持続化給付金の時と違うので注意が必要です。
おわりに
事業復活支援金は 、今回の補正予算に計上された「18歳以下の子供に対する10万円相当の給付」の予算総額1兆9473億円を上回る補正予算の目玉事業です。
事業復活支援金が「人気取りのバラマキ合戦」のひとつにならないよう、本当に困っている事業者さんに給付されることを祈ります。