2020年10月29日付で「第206回信用保証利用企業動向調査結果の概要」が発表されました。これは7月〜9月の実績と10月〜12月の見通しの数字になります。
まずは資金繰りDIですが、前期比▲54.4から▲28.5とマイナス幅が大幅に縮小しています。
前期はリーマンショック時(▲52.6)を下回っていましたが、リーマンショック時と違い急回復を遂げています。
これは、コロナの影響が全体的に一段落したことと、コロナ資金がほぼ全ての企業に行き届いたことで資金繰りが改善したと予想されます。
次に借入状況です。借入をした企業の割合は、前期に57.8%まで上昇しましたが、今期は45.4と下がっています。
こちらも借入状況で、借入金額を示した図です。平均借入額は3876万円となっています。
コロナ前は1千万円以下の借入企業が多かったのですが、コロナを機に1千万円〜5千万円の企業が急増しています。今期は52.3%まで増えています。
業種ごとのコロナの影響ですが、建設業の影響なしの比率の多さが目立ちます。公共部門の発注割合が多い業界なので、比較的コロナの影響は少ないのでしょう。
一方製造業は他業種に比べて悲観的です。小売業、サービス業が真っ先にコロナの影響を受けて、立ち直りつつあるなか、製造業はじわじわ影響が出てきている印象です。
金融支援の状況ですが、金融支援を利用した企業のうち8割が信用保証付き融資を利用しています。
コロナ対応融資は無利子、無担保、保証料減免で借入可能なので、多くの企業が保証付きの制度融資を利用しているのでしょう。
コロナ対応融資が終わった後に一気に資金繰りに行き詰まる中小企業が出てきそうです。