中小企業診断士試験

統計データを読み解く「経済・金融データ集2020年10月号」

日本政策金融公庫が毎月発表している経済・金融データ集の2020年10月号が発表されました。7月から8月のデータが多いのですが、コロナショックで大幅なマイナスとなった5月から徐々に回復している状況が読み取れます。

消費支出は消費税増税からマイナス傾向。5月にコロナで大幅なマイナスとなったものの6月に回復。7月は再度減少。

旅行取扱額は7月も−87.4と大幅なマイナス。すでに公表されている8月のデータも−86.3%と7月後半から始まったGOTOトラベルの効果があまり出ていない状況。10月に東京発着も可能となった効果が今後出てくるのでしょうか。

鉱工業生産指数は5月に大幅なマイナスとなった自動車工業が88ポイントまで回復しました。生産用機械工業はマイナス基調。

日本の実質GDP成長率はマイナス9.9%となりましたが、EUや英国と比較すると、比較的ダメージが少ないようです。欧州は今後さらにマイナス幅が広がるのでしょうか。

失業率も日本は3%と低いです。アメリカも一時15%程度まで上昇しましたが、8.4%まで減少しています。英国の失業率が思いの外低いです。

企業規模別業況判断DIを見ると、小規模企業は過去最低を記録しています。大企業はリーマンショック時よりはマシな状態です。

信用保証債務は急拡大を続けています。保証つきの無利子無担保融資が拡大しているためでしょう。

マネーストックは急拡大です。日銀の量的緩和よりもコロナの方がマネーストックに与える影響は大きかったようです。