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補助金

事業承継補助金(令和元年度補正)を分かりやすく解説

投稿日:2020年7月17日 更新日:

ポイント

  • 事業承継後の新しい取組を支援するための補助金
  • 承継者(買い手、受け手)の取組が対象
  • 事業承継前のデューデリジェンス費用等は対象外
  • 補助率最大2/3、補助額最大1,200万円
  • 廃業を伴う経費が存在する場合は補助上限上乗せ

概要

事業再編、事業統合を含む事業承継契機として経営革新等を行う中小企業・小規模事業者等に対して、その取組に要する経費の一部を補助する制度です。

事業承継を契機として経営革新等を行うという点がポイントで、事業承継前のデューデリジェンス費用や士業への報酬費用は補助の対象になりません。補助対象は事業承継後に行う新しい取り組みです。

事業承継の要件

事業承継補助金には「後継者承継支援型」と「事業再編・事業統合支援型」があり、型ごとに事業承継の要件が異なります。

なお、事業承継は、2017 年 4 月 1 日から補助対象事業期間完了日または、2020 年 12 月 31 日のいずれか早い日までに実現させる必要があります。

後継者承継支援型

後継者承継支援型の場合、経営者の交代が事業承継の要件になります。そのため、実績報告時までには経営者の交代を証明する「履歴事項全部証明書」等の提出が必要になります。

事業再編・事業統合支援型

事業再編・事業統合支援型の場合、株式交換、株式移転、新設合併、吸収合併、吸収分割、事業譲渡等が事業承継の要件になります。そのため、実績報告時までにはこうした事実を証明する「事業譲渡契約書」等の提出が必要になります。

対象事業

対象となる事業は、「原則枠」「ベンチャー型事業承継枠」「生産性向上枠」の3つの要件があります。

「原則枠」が対象となる事業を定義しており、「ベンチャー型事業承継枠」「生産性向上枠」の追加要件を満たせば補助率、補助額が上がるという仕組みになっています。

原則枠

原則枠には大きく2つの要件があります。

  1. 中小企業者等である被承継者から事業を引き継いだ中小企業者等である承継者による経営革新等に係る取組であること。
  2. 補助対象事業は、以下に例示する内容を伴うものであり、補助対象事業期間を通じた事業計画の実行支援について、認定経営革新等支援機関の記名・押印がある確認書により確認される事業であること。
    ① 新商品の開発又は生産
    ② 新役務の開発又は提供
    ③ 商品の新たな生産又は販売の方式の導入
    ④ 役務の新たな提供の方式の導入
    ⑤ 事業転換による新分野への進出
    ⑥ 上記によらず、その他の新たな事業活動による販路拡大や新市場開拓、生産性向上等、事業の活性化につながる取組 等


要件1の事業を引き継いだ承継者による経営革新等に係る取組というのがポイントで、引継ぎ前の取組や被承継者(売り手、譲り手)の取組は対象にならないということです。

また、要件1の経営革新等に係る取組というのは、要件2で例示されている「新商品の開発または生産」などを指します。ただし、要件2の⑥に「上記によらず、その他の新たな事業活動による販路拡大や新市場開拓、生産性向上等、事業の活性化につながる取組」という要件があるので、新しい取り組みであればなんでも対象になるものと思われます。

要件2については、認定経営革新等支援機関の登録を受けている士業の方や支援団体の確認を受けてくださいということです。認定支援機関は以下サイトから検索できます。https://ninteishien.force.com/NSK_CertificationArea

ベンチャー型事業承継枠

ベンチャー型事業承継枠には以下3つの要件があります。

  1. 新商品の開発又は生産、新役務の開発又は提供、もしくは事業転換による新分野への進出を行う計画であること。
  2. 事務局が定める期間において従業員数を一定以上増加させる計画であること。
  3. 補助事業実施期間内において補助事業に直接従事する従業員を 1 名以上雇い入れた事実が確認できること。(なお、有期の雇用契約は本要件の対象としない。)


ベンチャー型事業承継枠は、原則枠の要件に加えて従業員を増やす要件が加わったものです。なぜ従業員を増やすことが「ベンチャー」とつながるなるのかは不明ですが。

生産性向上枠

生産性向上枠には以下1つの要件があります。

  1. 承継者が 2017 年 4 月 1 日以降から交付申請日までの間に本補助事業において申請を行う事業と同一の内容で「先端設備等導入計画」又は「経営革新計画」いずれかの認定を受けていること。


こちらは、「先端設備等導入計画」「経営革新計画」などの法律に基づいた承認を受けた計画がある場合の枠です。基本的に実施する事業の内容は、原則枠と変わらないので、「経営革新計画」等の承認を得て、補助率を上げるのが得策です。経営革新計画であれば、比較的簡単に承認を得ることができます。

補助率・補助上限

補助率・補助上限額は以下の表のとおりです。廃業を伴う経費が存在する場合に補助上限額額が上乗せされます。

対象経費

補助対象経費は、人件費や賃借料も含み、補助金としては幅広い経費が対象になります。ただし、M&A費用、M&A仲介手数料・デューデリジェンス費用・コンサルティング費用は補助対象とならないのでご注意ください。

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