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補助金

令和2年度経営資源引継ぎ補助金をわかりやすく解説

投稿日:2020年7月11日 更新日:

令和2年7月6日に「経営資源引継ぎ補助金」の公募要領が発表されました。「経営資源引継ぎ補助金」は予算上限36億円で900件程度の採択を予定しています。今回は「経営資源引継ぎ補助金」をわかりやすく解説したいと思います。

ポイント

  • 買い手と売り手どちらも申請可能
  • 「経営資源の引継ぎを実現させるための支援」の場合、交付申請時に引継ぎの相手方と時期が決まっている必要がある
  • 「売り手支援型」「買い手支援型」どちらも対象経費は同じ、ただし「売り手支援型」で廃業を伴う場合は廃業費用にも充当可能
  • 事業実施期間は2021年1月15日までとなっており、スケジュールがかなりタイト

事業全体イメージ

概要

コロナの影響で経営状況が悪化する中小企業が多くなる中で、事業再編・事業統合等による中小企業の新陳代謝を加速させるため、国が中小企業者の経営資源の引継ぎに要する経費の一部を補助する事業です。

中小企業の売り手、買い手どちらも申請することができます。事業区分は、「経営資源の引継ぎを促すための支援」「経営資源の引継ぎを実現させるための支援」の2つのがあります。

補助金額は、廃業が伴う事業再編・事業統合等の場合は最大650万円で、廃業が伴わない事業再編・事業統合等の場合は、最大200万円となっています。補助率は2/3です。

対象事業・補助率・補助上限

対象となる事業には、「売り手支援型」「買い手支援型」があり、さらに、「経営資源の引継ぎを促すための支援」「経営資源の引継ぎを実現させるための支援」に分かれます。

「経営資源の引継ぎを促すための支援」は、買い手または売り手がまだ見つかっていない事業者が、引継ぎに向けた作業に着手することが要件となっています。

具体的には、M&Aの候補を集めた企業リストを作成することや、デューデリジェンスを実施することなどがあります。

「経営資源の引継ぎを実現させるための支援」は、引継ぎに向けた作業に着手することにとどまらず、株式交換、株式移転、新設合併、吸収合併、吸収分割、事業譲渡等が実現されることが要件となっています。

具体的には、事業譲渡契約書等を締結し、その事業譲渡等が完了している必要があります。

さらに交付申請時には引継ぎする相手方時期が決まっている必要があるので、とりあえず「経営資源の引継ぎを実現させるための支援」で申請して、実現しなかった場合は上限100万円をもらい、実現した場合は上限200万円をもらうということはできません。

補助率は、補助対象経費の2/3。補助上限額は、「経営資源の引継ぎを促すための支援」は100万円、「経営資源の引継ぎを実現させるための支援」は200万円となっています。さらに、「経営資源の引継ぎを実現させるための支援」で売り手が廃業を伴う場合は、廃業費用として上限450万円が追加されます。

ただし、下記の場合は補助対象外となるので、お気を付けください。

  • 事業再編・事業統合等の後に承継者が保有する対象会社又は被承継者の議決権が過半数にならない場合
  • 事業再編・事業統合等の前に承継者が保有する対象会社又は被承継者の議決権が過半数の場合
  • 売り手支援型の株式譲渡で支配株主と対象会社が共同申請する場合、事業再編・事業統合等の前に被承継者が保有する対象会社の議決権が過半数未満の場合
  • 被承継者又は被承継者の株主と承継者との関係が同族関係者である場合
  • 被承継者又は対象会社と承継者との関係が支配関係のある法人である場合

対象経費

対象となる経費は、「売り手支援型」、「買い手支援型」、「経営資源の引継ぎを促すための支援」、「経営資源の引継ぎを実現させるための支援」どちらの場合も基本的には同じで、「謝金、旅費、外注費、委託費、システム利用料」になります。

ただし、「売り手支援型」の「経営資源の引継ぎを実現させるための支援」で廃業を伴う場合、廃業費用として「廃業登記費、在庫処分費、解体費、原状回復費」を計上することが可能になります。

具体的な経費の例は以下のとおりです。

【謝金、旅費、外注費、委託費、システム利用料】

  • FA、仲介とのアドバイザリー契約に基づき支払う着手金、基本合意時報酬、成功報酬等
  • 企業価値等の価値算定にかかる費用
  • 弁護士、不動産鑑定士、司法書士等への依頼費用
  • M&A マッチングプラットフォームへの登録料及び利用料


【廃業費用】

  • 事業の廃業に関する登記申請手続きに伴う司法書士・行政書士等に支払う申請資料作成経費
  • 事業所や既存事業の廃止・集約を伴う場合に、既存の事業所や事業の廃止に伴う機械装置・工具・器具・備品等の処分費
  • 事業所や既存事業の廃止・集約を伴う場合に、既存の事業所や事業において借りていた土地や建物、設備機器等を返却する際に、修理して原状回復する為に支払われる経費


スケジュール

申請受付期間は、以下のとおりとなっています。

  • オンライン申請
    2020年7月13日(月)~2020年8月22日(土)
  • 郵送申請
    2020年7月13日(月)~2020年8月21日(金)

事業実施期間は、2021年1月15日(金)までとなっているので、交付決定が9月ごろにされると想定すると、4か月程度で契約から支払完了まで行う必要があり、かなりタイトなスケジュールになっています。

ただし、売り手支援型で「事前着手届出書」を提出した場合は、2020年4月7日(火)以降の着手したものも補助対象となりますので、すでに着手している場合は必ず届出を出しましょう。

おわりに

この事業の事務局は「デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー」が受託しています。同社は大手コンサルティング会社でM&A関連のサービスも行っている会社です。

補助金申請者の中には、同社のサービスを利用する事業者もいるのではないでしょうか。GoToキャンペーンで委託先の電通が叩かれる中、利益相反の匂いがプンプンする企業を委託先にして大丈夫なのでしょうか。

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