中小企業政策・補助金

令和3年度「事業承継・引継ぎ補助金」をわかりやすく解説

※2月27日追記・修正

令和3年2月25日に中小企業庁が、「事業承継・引継ぎ補助金」事務局の公募を開始しました。

この記事では、令和3年度に実施される「事業承継・引継ぎ補助金」の制度について解説します。

予算

「事業承継・引継ぎ補助金」は令和2年度に実施された「事業承継補助金」と「経営資源引継ぎ補助金」を統合した補助金です。

予算については、令和2年度3次補正予算で56.6億円令和3年度当初予算で16.2億円計上されており、合計72.8億円の事業となっています。

令和2年度3次補正予算分の補助予定件数は約940件とされています(うち、創業支援型60件、後継者承継支援型約160件、M&A型約80件、専門家活用型640件を想定)。

令和3年度当初予算分はまだ公表されていません。

補助率・補助上限

この補助金ですが、補正予算と当初予算で補助率や補助上限額が異なっているので、注意が必要です。

令和2年度3次補正予算分

令和2年度3次補正予算で実施される補助金の概要は以下のようになっています。

「①事業承継・引継ぎを契機とする新たな取組や廃業にかかる費用の補助」という類型が、令和2年度までの事業承継補助金です。

この類型は、事業承継後の設備投資や販路開拓などの新たな取組を支援するものです。

補助上限額は創業支援型と経営者交代型の場合400万円、M&A型の場合は800万円となっています。補助率は2/3です。

令和2年度との大きな違いは、創業支援型が追加されたことです。創業支援型は、経営者交代型やM&A型では補助対象とならない創業者を拾うために創設された類型だと予想されます。

「②事業引継ぎ時の士業専門家の活用費用の補助」という類型が令和2年度までの「経営資源引継ぎ補助金」です。

この類型は、事業承継前のデューデリジェンスにかかる費用や、M&A業者への仲介手数料などが補助対象となります。

補助上限額は400万円となっています。補助率は2/3です。

令和3年度当初予算分

次に、令和3年度当初予算で実施される補助金の概要は以下のようになっています。

基本的な枠組みは補正予算のものと同様ですが、補助上限額がおよそ半減しており、補助率も1/2まで下がっています。

また、創業支援型も無くなっています。

補正予算はコロナ影響による緊急的な対策ということで補助上限額と補助率を嵩上げたという整理でしょうか。創業支援型をなくす理由はいまいち分かりません。

公募開始時期

補正予算版事業承継・引継ぎ補助金は3月末から公募開始予定です。

当初予算版事業承継・引継ぎ補助金は、まだ公表されていません。

この補助金の利用を検討している方は、補助率・補助上限の高い補正予算版を利用する方がお得なので、早めの準備をお勧めします。